日ごろのご愛顧真に有難く深く深く感謝申し上げます。
平成29年新涼のころ、おかげを持ちまして店舗移転の運びとなりました。これまでより一層精進し努めてまいります。何卒、今後とも「美菜ガルテンふるかわ」新店舗をお引き立て賜りますようお願い申し上げます。 敬白
中津川一の一刻者料理人
美菜ガルテンふるかわ
店主 古川 則男
平成29年9月16日(土)正午 新店舗オープン
「ようこそお越し下さいました」
美菜ガルテンふるかわ
美菜ガルテンふるかわ
〒508-0203
岐阜県中津川市福岡1786-215
Tel:(0573)72 3911 090-5620-0389
昼席 12:00 ~ 14:30
夜席 18:00 ~ 21:30
不定休 ご予約要
1957年(昭和32年)、観測船「宗谷」が南極に到着、上陸を果たし昭和基地が開設された年、長野県木曽郡木曽福島町(現在、木曽郡木曽町)の町中に生まれました。姉3人の末っ子で、放課後は、家にかばんを放り込むとそのまま友人たちと野山を走り回って日が暮れるまで帰らない少年時代でした。勿論、勉強嫌いで宿題もせずいつも隣の女の子にノートを見せてもらっていました。
1972年(昭和47年)15歳の春、動物が好きなことと身軽で小柄な体格を活かしジョッキーになることを夢見ましたが、その後、急に身長がニョキニョキと伸び断念せざるをえませんでした。
以来、1973年(昭和48年)16歳の頃より日本料理一筋。長野県の浅間温泉、松本など中信地方で親方について転々と修行に渡り歩きます。
昔は、教えてなどもらえません。親方の仕事を見て、いかに真似るかでした。それでも6・7年も過ぎると、持ち前の繊細な感覚の鋭さから親方の信頼を得、小さな板場を任されるようになりました。
転機は、1996年(平成8年)夏、39歳の時訪れました。リゾートホテルのグランドオープンの為の準備スタッフとして迎えられ、木曽へ帰省することとなります。
「南木曽温泉 ホテル木曽路」(長野県木曽郡南木曽町)にて厨房設計から携わり、ホテル宿泊のお客様(定員320名)の会席、レストラン(150席)、ブライダルディナー等の和・洋の料理に関する一切を取り仕切る大役を賜りました。1997年(平成9年)3月のグランドオープンの後、7年にわたり総料理長を務めました。四季の可憐な彩りも鮮やかに、旬の走りから盛りそして名残の旨みを引き出して織り合わせる繊細な会席料理が評価され、在任の間、JTB名湯百選-料理部門にランクインを維持しました。
その後、「料理旅館栗本温泉藤」(岐阜県中津川市福岡)・「ホテル富貴の森」(長野県木曽郡南木曽町)にて料理長を務めましたが、筋金入りの一刻者であるがゆえに独立を決意します。2010年(平成22年)53歳の春のことでした。
一男一女のパパであり、もらい猫と拾い猫、おしゃべりな野良猫の「しっぽ無」、さらに子猫を拾って猫ばっかの日々となりました。他にきみこと中津川市福岡にて同居中。
おひつじ座、O型の右脳派人間。
店主・古川の日頃の思い入れを少しずつ綴ってまいります。どうぞ、笑ってご一読ください。
早、彼岸のころ、随分と暖かくなった。
日本料理は刻々と移ろいゆく食材の旨みを細やかに愛おしく集め美しい更紗に織り上げていくようなものだと私は思っている。
春の潮汁は、鯛、たけのこ、わかめなどを椀に織り合わせる。何気ない一品こそ丁寧さが必要だ。たけのこは米ぬかと鷹のつめをいれ茹でてあく抜きをする。ほかの食材もそれぞれに下ごしらえをする。鯛はさばいて軽く塩を振る。かつお節で出汁をとっておく。
前菜をお出しすると直ぐ鯛の切り身を直火にあぶる。潮汁の具材を椀に盛り合わせる。一番出汁を火にかけ味を調える。鯛に火がとおり皮に焼き目をつけたら椀に盛り汁をはる。
さあ、熱々をお出ししよう!椀の蓋をとると、ほわっと立ち上る湯気と木の芽の香りが食欲をそそる。
山菜のてんぷらは、その後のお客さまの箸の進み具合に合わせて支度を始める。食材に小麦粉を薄く振り、氷水で溶いた衣にくぐらせてやや低めの温度の油でカラッと揚げる。やっぱり揚げたての熱々をパリパリッサクサクッと召し上がっていただこう。春の香りと苦味は、解毒効果が期待できる。自然の摂理はすばらしい!
あらかじめ、出汁の味を作っておけば楽だ。でも、温め直しでは味が鈍る。だからそれを避ける為にその場で直前に整える。揚げ物もその場で衣を溶く。「最も美味しく召し上がっていただきたい」とのこだわりは、時にタイミングが難しい。私のわがままなのかもしれない。まだ、精進が足りないと思う日々なのだ。
言の葉綴るのは至難のこと、久しくご無礼いたしております。
さて、「いのしし美味いか?」昨年の続きです。
「今年のしし肉はうまいぞ!」と確信の上、特上のイノシシ入手しました。家内も「これは美味しい!!!」と感嘆符3っつの驚きの声。今シーズンは最後のチャンス!「えぇ?いのししなんて...」とおっしゃらないで下さい。
では、しし肉は全て美味しいのか?やはり、答えはNO!です。特定の条件を満たした「いのしし」だけが美味しいのです!若い雌いのしし・狩猟時期と狩猟方法その熟練度、その後のさばき方まで最良の業が必要です。
全ての条件が満たされれば、「低カロリーでビタミンやミネラルを多く含み栄養価が高くて臭みはない。甘くて美味しいたっぷりのコラーゲン!」これは女性にこそ召し上がっていただきたい!
入荷量は限りがあり、まさにレアな限定のいのししです。お早めにお問い合わせください。
「ジビエ食べたい!」とのリクエストを何件もいただいていました。
正直、私は、「う~ん、ジビエかぁ」と...
「ジビエでそこそこうまいのは鹿肉かなぁ。でも、地元で鹿肉は獲れない。皆様、街からわざわざお越しになるなら、地元の獣でなくては意味がないなぁ.. う~ん、いのししかぁ..」と考えあぐねていました。
獣は、野生の臭みも少なくなる冬、脂を蓄え寒い冬を乗り切る生命の営みゆえ厳冬期直前がベスト。熟練の猟師が一撃でしとめ、即、上手に血抜きをしたものでなくてはならない。また、野生で在るがゆえ、寄生虫にも注意すべきだ!
そんな条件をクリアするため地元の精肉店さんを尋ね、「冷凍いのしし」入手しました。何故、冷凍か?って。
精肉店さんいわく、「新鮮ないのしし肉でも、うちは部位を分けて必ず冷凍処理をしてから販売します。冷凍処理ができてなければ販売しません。適切な冷凍処理をすることによって寄生虫などによる健康被害のリスクを下げることができます。」
よって、しし鍋、ふるかわでは、「ひきずり=関西風すき焼き」にてお召し上がりいただけます。入荷量限り有り、お早めにご予約の上、お越しください。
ところで、肝心な『美味いか?否か?』
私は、「食用に改良された牛・豚」とは比べるものではない。比べれば、そりゃあ「日本人好み」に品種改良され最適にブレンドされた飼料と生育環境の下、絶妙に入った霜降り肉のほうが美味しいと思うのです。まさに、美味しいと感じるように「生産」されているのですから。
しかしながら、野生のいのししは、生産物とは異なる魅力があります。そして、最大限の旨みを味わってみてください。日常生活において余り考えることの少ないであろう「生命をいただく」という実感をも感じていただけるのではないでしょうか?
追伸 木曽の「熊肉」も入手いたしました。勿論、野生のツキノワグマです。食べてみたい方、お問い合わせください。
私のふるさと・木曽町福島に郷土料理「おおびら」がある。
木枯らしが吹き始めると、
この身体温まる椀物を食べたくなる。
しっかりとった出汁地、
さといも ごんぼ 大根
にんじん しいたけ 鶏肉
こんにゃく等を炊いて
味を調え葛をひく。
椀に盛り付けたら、わさびを少し添える。
根菜と葛、身体の内側からほっこり温まっていく。
初めて食べても、なぜか懐かしい
そして、優しい美味さだ!
至極に仕上げた昔ながらの田舎料理をどうぞ。
一刻者料理人 古川 則男
* 「おおびら」は、会席「冬の予感」の内でお召し上がりいただけます。
* 仕入れの都合上、お料理の構成が変わることがあります。ご了承ください。
夏の疲れを癒してほしい。
だから、ひとつずつ丁寧な仕事を心がける。
かぼちゃと冬瓜は面取りをし、隠し包丁を入れる。
素材ごとに火のとおり具合を確認しながら蒸す。
茄子は飾り包丁をいれ油で揚げる。
別々に味を調えた熱い出汁地にそれぞれ漬す。
器ごと氷水に浮かべ一気に冷ます。
すると、野菜の旨みを凝縮、なおかつ、美しい色彩を残したままに、出汁の旨みが浸み込んでいく。
極、普通の野菜の炊き合わせであって尚、最も美味しく召し上がってほしい。
手間を惜しまず仕上げた真の日本料理をどうぞ。 一刻者料理人 古川 則男
* 仕入れの都合上、お料理の構成が変わることがあります。ご了承ください。