家出

  木曽の初冬の夕暮れはあっという間です。お茶をいただいた後、積んできた身の回りの品を車から降ろし部屋へ放り込みました。ふと、納戸の前を通りかかると、引き戸が少し開いていました。

 ー えっ!! ー

 

慌てて納戸の中を覗き込みました。

猫たちがいません!!

 ー ききょう! すみれ! ー

  ー ききょう! すみれ! ー

 私は門へ飛び出しました。

 

    ー ききょう!!

  すみれ!! ー