あれじゃぁ厳しい冬を越すことはできないわ!
私の心配をよそに、次の日は姿を現しませんでした。2日後、一段と寒く冷え込んだ朝、勝手口を出ると再び「なうぅ、なうぅ..」と弱々しい鳴き声が聞こえました。
「さあさあ、出ておいで。」と声をかけると、猫耳は4つ!まあ、サバトラ、瓜二つ!兄弟でしょうか?「さあさ。」
次の日もやってきました。私は餌を置くとその場を離れてそっと振り返りました。1っ匹だけががつがつと餌をほおばっていました。餌を食べている猫に「さあ、兄弟も連れておいで。」と声をかけました。「にゃうう、にゃうう。」と鳴きました。
その次の日も猫たちはやってきました。私が勝手口の扉を開けると、なんとまあ、『にゃうぅ』はうちの中へ入り込んだのです。思わず抱き上げると、ももぞもぞと心地悪そうにもがきましたが、それでもおとなしく抱かれるではありませんか!?「んぇ?あんた、野良でしょ。抱かれるの?―まあ、なんて軽いの!女の子だわ。それにしても貧弱なこと。」ああ、その不憫さといったら、私は溜め息をつきました。
しかしながら、片割れは枯れ草の中に耳が見えるだけ。そして、それ以降姿を見ることはありませんでした。